KNEE STRUCTURE

ひざ(膝)の中身を徹底解剖!ひざの構造と仕組みについて

小林(こばやし)信也(しんや)医師が監修しました

RDクリニック医師

日本再生医療学会認定医/日本整形外科学会認定スポーツ外科医/日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医/日本整形外科学会専門医/日本整形外科学会運動リハビリテーション医/日本リハビリテーション学会認定臨床医
1994年 富山医科薬科大学卒業後、新潟大学機能再建外科入局。以降、関連病院勤務(脊椎センター長等歴任)を経て、2023年よりRDクリニックにて勤務。

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ひざ(膝)とは

ひざ(膝)とは、人の(あし)(もも)(すね)の間にある関節の部分のことをいいます。ひざの関節なのでひざ関節(膝関節)、また医学的な呼称として“膝部(しつぶ)”とも言われます。

私たちの両足にあるひざは、立ち上がりや歩くとき、階段の上り下りをするときなどの動作を行う時に、必ず使われる大切な部位です。

ひざを構成する組織

人の身体は骨や筋肉、皮膚などの臓器といった様々な組織によってできています。

ひざのある私たちの「(あし)」の内側にも骨があり、骨を取り囲むように筋肉・腱・靭帯があり、一番外側に皮膚があります。それぞれの名称や役割、特徴について見ていきましょう。

ひざを構成する4つの骨

ひざ関節には4つの骨が関わっています。太ももにある「大腿骨(だいたいこつ)」、すねにある「脛骨(けいこつ)」と「腓骨(ひこつ)」、ひざのお皿と言われる「膝蓋骨(しつがいこつ)」です。

大腿骨(だいたいこつ)

大腿骨は股関節(足の付け根)から膝までの太ももにある、人間の骨格の中で最も長さのある骨です。私たちの体重を支えたり、歩く時に重要な役割を果たしています。

脛骨(けいこつ)

下腿(かたい)、つまりひざから足首にかけての部分=(すね)の内側の骨です。ひざ関節だけでなく、足関節内果(足首の内くるぶし)を形成します。

腓骨(ひこつ)

脛骨はすねの内側にある骨ですが、腓骨はすねの外側にある脛骨よりも細い骨です。
腓骨は体重の負荷には直接関与しませんが、ひざの筋肉の付着部としての役割を持っています。

膝蓋骨(しつがいこつ)

膝蓋骨は一般的に「ひざのお皿」と言われる小さな骨で、円形や三角形のような形をしています。太もも前面の筋肉「大腿四頭筋(だいたいしとうきん)」と脛骨とをつなぐ腱「膝蓋腱(しつがいけん)」の間にあり、ひざを伸ばす時に筋肉の動きを腱に伝える滑車のような役割を持っています。

ひざの骨同士を繋ぐ4つの靭帯(じんたい)

靭帯(じんたい)とは、骨と骨をしっかりと繋ぐ役割を持つ、丈夫な線維の束のような組織です。コラーゲンと弾性線維の両方を含み、ある程度の伸縮性があります。

ひざの両脇には「側副(そくふく)靭帯」があり、内側にあるものを「内側(ないそく)側副靭帯」、外側にあるものを「外側(がいそく)側副靭帯」といいます。ひざの真ん中には「前十字(ぜんじゅうじ)靭帯」と「後十字(こうじゅうじ)靭帯」があります。

内側(ないそく)側副靭帯

ひざの外側からかかる力(外反(がいはん))に抵抗しひざを守る役割を持つ、大腿骨の内側と脛骨を繋ぐ、平らで強靭な靭帯です。

外側(がいそく)側副靭帯

ひざの内側からかかる力(内反(ないはん))に抵抗しひざを守る役割を持つ、大腿骨の外側と腓骨を繋ぐ、丸みを帯びたひも状の靭帯です。

前十字(ぜんじゅうじ)靭帯

前十字靭帯はひざ関節の内部で、脛骨の前側から大腿骨の後ろ側にかけて伸びる靭帯です。ひざが伸びすぎる過伸展(かしんてん)を予防します。

後十字(こうじゅうじ)靭帯

後十字靭帯はひざ関節の内部で、脛骨の後ろ側から大腿骨の前側にかけて伸びる靭帯です。ひざが曲がりすぎる過屈曲(かくっきょく)を予防します。

ひざを動かすための筋肉

ひざの動きを支える主な筋肉は、太ももの前面にある「大腿四頭筋(だいたいしとうきん)」と、太ももの後ろ側にある「ハムストリングス」です。

大腿四頭筋(だいたいしとうきん)

大腿四頭筋は、太ももの前面にある〔大腿直筋(だいたいちょっきん)内側広筋(ないそくこうきん)外側広筋(がいそくこうきん)中間広筋(ちゅうかんこうきん)〕の4つからなる、主にひざを伸ばす時に動く強力な筋群(きんぐん)です。

ハムストリングス

ハムストリングスとは、太もものの後ろ側にある〔大腿二頭筋(だいたいにとうきん)半膜様筋(はんまくようきん)半腱様筋(はんけんようきん)〕の3つの筋肉によって形成され、主にひざを曲げる時に動く筋群です。走っていて立ち止まる時など、動きにブレーキをかける際に使われる筋群でもあります。

関節を守り滑らかに動かすための関節包と滑膜

関節包(かんせつほう)

関節包は柔軟性のある袋状の組織で、ひざ関節をすっぽりと包み保護しています。関節包に包まれたひざ関節の内側を関節腔と言い、関節腔は関節液(滑液)で満たされています。

滑膜(かつまく)と関節液(滑液(かつえき)

滑膜は関節包の内側にある薄い組織です。
関節液は滑膜から作り出される成分で、滑液とも呼ばれます。関節液は関節軟骨に栄養を届け老廃物を運搬したり、関節が滑らかに動くための潤滑油のような役割を持っています。

ひざが炎症を起こした時に「水がたまる」と言うことがありますが、これは関節液が異常に増えてしまった時のことを言います。

関節液が入った小さなふくろ、滑液包(かつえきほう)

滑液包とは、筋肉や腱が骨や靭帯などと擦れる部分にある小さな(ふくろ)で、摩擦を減らすための関節液(滑液)が入っています。 肩・肘・股関節・かかと・足の親指など全身の関節の周囲にあり、もちろんひざ関節の周りにも多く存在します。

衝撃を和らげ、ひざの骨を守る軟骨組織(なんこつそしき)

関節は骨と骨の合わさる部分ですが、骨は硬い組織のため、そのままぶつかると擦れて削れてしまいます。そのため、骨の関節部分は軟骨という組織で覆われています。

軟骨には血管や神経、リンパ管が存在しないため栄養や刺激が届きません。そのため、一度損傷してしまうと自然に治ることはほとんどないと言われています。

軟骨は骨とは全く異なる組織です。軟骨のおよそ80%は水分でできているといわれており、とても滑らかで、関節がスムーズに動くための役割や、骨を衝撃から守るクッションの役割を担っています。軟骨に力が加わると、中に含まれた水分が外に出て形を変えます。加わっていた力が取り除かれると、軟骨も元の形に戻ろうと水分を取り込みます。

軟骨の種類

軟骨には3つの種類があります。
ひざにある軟骨は硝子軟骨である「関節軟骨」と、線維軟骨である「半月板」です。

硝子(しょうし)軟骨
骨端部分を覆う関節や、気管、咽頭などに存在し、非常に柔軟性が高く滑らかな軟骨。ガラス軟骨とも言われる。
線維(せんい)軟骨
脊椎など動きの少ない関節に存在する、厚く密度の高いコラーゲン繊維の束のような軟骨。
弾性(だんせい)軟骨
耳などを形づくる軟骨。

関節軟骨(かんせつなんこつ)

関節軟骨は関節で骨と骨が接する面にある軟骨で、“硝子軟骨”であるためとても柔軟性が高く滑らかです。
ひざの痛みや悩む方の多くが発症する「変形性膝関節症」になると、この関節軟骨が減少したり失われてしまい、骨同士がぶつかるため痛みを生じます。

半月板(はんげつばん)

半月板はひざ関節の中、大腿骨と脛骨の間にある軟骨で、衝撃を吸収するクッションの役割や、骨と骨を支えて安定させる役割を持っています。半月板は“線維軟骨”のため関節軟骨に比べると固さがあり、しっかりとひざ関節を支えています。

半月板はひざの内側と外側にそれぞれ存在しており、断面で見るとアルファベットのCのような、半月のような形をしています。

ひざ関節の構造と仕組み

関節とは骨同士の繋ぎ目のこと

関節(かんせつ)とは2つの骨の繋ぎ目であり、動かせる部分のことをいいます。人の体には全部で68箇所もの関節があり、骨と骨とを繋いでいます。

ひざ関節は人体で最も大きな関節

ひざの関節は私たちの身体にある関節の中で最も大きく、複雑な構造をしています。人が動く時、移動したりスポーツなどの活動をする際に必ず使われる関節ですので、負荷がかかり痛めてしまう場合も多いです。

ひざには大きな関節が2つあります。大腿脛骨(だいたいけいこつ)関節と膝蓋大腿(しつがいだいたい)関節(PF関節)がそれぞれのひざに存在します。

大腿脛骨(だいたいけいこつ)関節

大腿脛骨関節(脛骨大腿関節)は、体重を支えるために最も大きな負担がかかる関節で、ドアの蝶番のように一方向のみに動きます。このように一方向のみに動く関節のことを蝶番関節(ちょうつがいかんせつ)ともいいます。

膝蓋大腿(しつがいだいたい)関節(PF関節)

膝蓋大腿関節(大腿膝蓋関節)は、ひざを伸ばしている時にはあまり負担はかかりませんが、ひざを強く曲げる際に負荷がかかる関節です。膝を曲げ伸ばしする際に、膝蓋骨が大腿骨の上を滑るように上下に移動します。

膝蓋骨を英語でpatella、大腿骨をfemurといいますが、これらの頭文字を取ってPF関節と呼ばれることもあります。

ひざ関節の動きについて

ひざ関節では、伸展と屈曲が起こります。この動きは歩いたり走ったりジャンプする時などの日常生活だけでなく、スポーツをする際にとても重要な動作のひとつです。

怪我をしたり慢性的な疲労があると、伸展や屈曲の可動域が狭くなります。ひざの可動域が狭くなった状態で運動を続けると、大きな怪我に繋がることもあるため注意が必要です。

伸展

ひざを真っすぐに伸ばした状態のことです。
正常な関節可動域でひざが伸展している場合、角度は0°になります。

屈曲

ひざを曲げた状態のことです。
正常な関節可動域でひざが屈曲している場合、角度は130°ほど曲げられるといいます。

は、
「再生医療」専門のクリニックです。

ひざの再生医療さいせいいりょうとは?

ひざなどの関節の痛み(変形性関節症)を、ご自身の幹細胞(かんさいぼう)で治療します。あなたの細胞が軟骨の代わりとなり、痛みが和らぎます。
ヒアルロン酸注射や痛み止めなどの“対症療法”とは違い“根本治療”のため、効果が長続きします。

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