KNEE PAIN

ひざの痛みについて

歩くときや椅子から立ったり座ったりするときなど、毎日欠かすことなく使う私たちの(ひざ)。ひざに痛みや違和感があると、何気ない動作が不自由になり、快適に過ごすことができません。

このページでは、悩む方の多い「ひざの痛み」の原因や考えられる疾患と、その治療法や対処法まで、詳しく解説します。

小林(こばやし)信也(しんや)医師が監修しました

RDクリニック医師

日本再生医療学会認定医/日本整形外科学会認定スポーツ外科医/日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医/日本整形外科学会専門医/日本整形外科学会運動リハビリテーション医/日本リハビリテーション学会認定臨床医
1994年 富山医科薬科大学卒業後、新潟大学機能再建外科入局。以降、関連病院勤務(脊椎センター長等歴任)を経て、2023年よりRDクリニックにて勤務。

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ひざの痛み・膝痛(ひざつう)とは?

ひざの痛み、つまりひざ関節の周辺が痛むことを膝痛(ひざつう)とも言います。
毎日使われるひざは年齢を重ねるごとに摩耗していくため、痛みに悩む方は多いです。

厚生労働省の令和4年国民生活基礎調査 概況によると、65歳以上の1,000人のうち手足の関節の痛みを自覚している人数(有訴者)は106.6人、つまりおよそ10人に1人は関節の痛みを感じているということです。関節の痛みの有訴者を男女で分けてみると、65歳以上の男性では80.8人、女性では127.8人となっており、関節の痛みを感じている方の割合は女性のほうが少し多いことがわかります。

ひざの仕組み

ひざがどんな構造になっているか、知っていますか?

「ひざにはお皿がある」というのは知っている方が多いと思います。ここではひざの構造・仕組みについて説明します。

ひざは3つの骨と靭帯・軟骨・半月板で出来ている

ひざとは、足の腿(もも)と脛(すね)とがつながっている関節の部分のことです。

ひざ関節に主に関わる骨は、太ももの骨である「大腿骨(だいたいこつ)」、すねの骨である「脛骨(けいこつ)」、ひざのお皿と言われる「膝蓋骨(しつがいこつ)」の3つです。
そして骨同士を繋ぎ、ひざの動きを支えて安定させる「靱帯(じんたい)」、骨同士が接する面にあり、クッションの役割や関節の動きを滑らかにする役割を持つ「軟骨(なんこつ)」、ひざにかかる衝撃を吸収するクッションの役割を持つ「半月板(はんげつばん)」でひざ関節は成り立っています。

ひざの構造と仕組み

ひざが痛くなる原因

ひざは、私たちの身体を支える大切な役割を持っています。
立つ・座る、歩く・走る時には必ずひざが使われています。また、体重を支え、歩いたり走ったりする時の地面からの衝撃を吸収する役目も果たしています。

ひざが痛くなってしまう原因には様々なものが考えられますが、原因を正しく特定するために、まずは専門医の診断を受けることが大切です。

スポーツなどによるひざの酷使や怪我

運動・スポーツなどで足の骨、靭帯、軟骨、腱などが損傷を受けると、ダメージを受けた瞬間から痛みを感じます。継続的に膝を酷使していたり、外側から強い負荷がかかることでダメージを受け、痛みが生じてしまうことが考えられます。

生活習慣や身体的特徴などによるひざの痛み

私たちが歩く時には、自分の体重の2~3倍の負担がひざにかかると言われています。階段の上り下りをする時には、なんと自分の体重の6~7倍と、さらに大きな負担がかかります。体重が大きいほど、動作の際にひざにかかる負担が増えるということです。

ひざに大きな負担がかかると、ひざの軟骨がすり減りやすくなります。ひざの軟骨がすり減ってクッションがなくなり、骨と骨がぶつかって炎症を起こすことで痛みが生じます。
また、肥満によりO脚傾向になると、ひざの内側に負荷がかかるため内側の軟骨がすり減りやすくなりさらにひざ関節に負担をかける原因となります。
ひざにかかる負荷を減らすためには、適切な体重を保つことも大切です。

加齢によるひざ軟骨の弾力性の低下やすり減り

加齢によってひざの軟骨の弾力性が低下したり、長年ひざを使い続けることによりひざの軟骨がすり減り、クッションの役目を果たせなくなってひざに痛みを生じることが考えられます。

ひざが痛む時に考えられる病気

ひざに痛みがある時、考えられる病気(疾患)は数多くあります。ひざが痛む人に多いのが「変形性膝関節症」です。

ここではひざに痛みが生じる時に考えられる代表的な病気について解説しますが、中には思わぬ原因や疾患が隠されている場合もあります。ひざに痛みや違和感がある時は、自己判断をせず信頼できる専門医の診断を受け、適切な治療を受けましょう。

変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)

変形性膝関節症とは、ひざの軟骨が減ってひざに痛みが生じたり、ひざに炎症が起きる病気です。男女比は1:4と女性に多くみられ、高齢者になるほど罹患率は高くなるといわれています。

後期(重症)になると、夜間もひざの痛みで眠れず、ひざが変形して足をまっすぐに伸ばすことや歩行が困難になります。

変形性膝関節症とは

関節(かんせつ)リウマチ

関節リウマチ、または関節性リウマチとは、関節内にある「滑膜(かつまく)」が異常増殖し、関節内に慢性の炎症を生じる病気です。関節の症状に加えて貧血や微熱、全身の倦怠感などの全身症状を合併することもあります。

滑膜とは、関節軟骨の周辺に付着する膜で、関節液=滑液(かつえき)を産生したり、関節の隙間を埋めて安定させ、軟骨に栄養を供給し関節の運動をなめらかにする働きをしています。

半月板損傷(はんげつばんそんしょう)

半月板損傷、または半月損傷(はんげつそんしょう)とは、膝関節のクッションの役割を持つ「半月板(はんげつばん)」が損傷することをいいます。半月板損傷を起こすとひざの曲げ伸ばしの際に痛みやひっかかりが生じたり、重症の場合は膝に水がたまったり、膝を動かせなくなるロッキングが生じます。

ひざの半月板は、ジャンプの着地や方向転換など“体重が加わった状態”でひざを強くひねる動作や、キックなどのひざを急激に伸ばす動作を行ったり、それを繰り返すことで損傷します。

ひざの痛む部分によって考えられる原因や疾患

ひざの「上」が痛む時に考えられる原因や疾患

ひざのお皿の上が痛む場合は、スポーツなどでのひざの酷使などによる、ひざのお皿(膝蓋骨)や膝上の筋肉(大腿四頭筋)の炎症の可能性があります。

  • 大腿四頭筋腱付着部炎(ジャンパー膝)
  • 膝蓋大腿関節症(しつがいだいたいかんせつしょう)
  • 滑液包炎(かつえきほうえん)
  • 変形性股関節症の放散痛

ひざの「外側」が痛む時に考えられる原因や疾患

  • 腸脛靭帯の炎症(ランナー膝)
  • 外側半月板の損傷
  • 外側側副靭帯の損傷など

ひざの「内側」が痛む時に考えられる原因や疾患

  • 膝軟骨のすり減り(変形性膝関節症
  • 鵞足の炎症(鵞足炎(がそくえん)
  • 内側半月板の損傷
  • 内側側副靭帯の損傷
  • 内側滑ヒダの炎症
  • O脚、脚の筋力不足、筋肉が硬いなどの身体的特徴によるもの

ひざの「裏側」が痛む時に考えられる原因や疾患

  • 靭帯や半月板などの損傷や炎症
  • ベーカー嚢腫(のうしゅ)
  • 変形性膝関節症
  • 半月板損傷
  • 関節リウマチ
  • 深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)
  • 後十字靭帯損傷
  • 反張膝など

変形性膝関節症による
ひざの痛みの対処法

ひざの痛みがある方に多い「変形性膝関節症」ですが、ひざの軟骨が一度すり減ってしまうと、自然に回復することは二度とありません。

もし変形性膝関節症になってしまった場合には、どのように対処すべきでしょうか。

従来の治療法

従来の治療法は、初期~中期まで「運動で症状を改善する・理学療法」「お薬による治療・薬物療法」などの症状の進行を遅らせたり、痛みを緩和する治療法を継続し、後期(重度)の場合はひざ関節を人工的なものに置き換える手術「人工膝関節置換術」を行うことが一般的で、変形性膝関節症の対処法には限られた選択肢しか存在しませんでした。

理学療法:トレーニングやストレッチでひざの痛みの改善

生活習慣の改善、運動療法、装具療法、物理療法などで症状の進行を遅らせたり、痛みを和らげたりする目的で行われます。痛みの原因を改善するわけではないため、初期~中期に行われることが多いです。

薬物療法:痛み止めやヒアルロン酸注射など

痛み止めの飲み薬を引用したり、ヒアルロン酸をひざ関節に注入し、痛みを和らげるのが薬物療法です。ヒアルロン酸注入の効果が持続するのはおよそ1~2週間ほどと長くなく、痛み止めもヒアルロン酸も根本治療ではないため、定期的かつ長期的に治療を受け続けたり、お薬を飲み続ける必要があります。

ひざの手術:人工膝関節置換術など

後期(重度)になってくると、人工関節置換術などの手術が選択肢に上がります。手術が成功すると痛みがなくなりますが、感染症などのリスクがあることや、手術後もリハビリが必要なことに加え、場合によっては「人工関節にしても痛みが取れなかった…」という方がいることも事実です。

従来の治療法について

ひざの再生医療

ひざの再生医療は、ひざを切らずに行うことができる変形性膝関節症の根本治療です。

自身の脂肪から「幹細胞」を取り出して増やし、ひざ関節に注射器で注入します。注入した幹細胞が軟骨の代わりとなって定着し、変形性膝関節症の痛みを改善します。

保存療法で効果を感じられない方や、人工関節に抵抗がある方へ、人工関節などの手術を行う前に試していただきたい、革新的なひざの痛みの治療法です。

ひざの再生医療とは

ひざの痛みは自分で治せる?
膝痛を予防する方法

ひざの痛みは自分で治せる?

ひざの痛みの原因が“生活習慣”や、“肥満などの身体的特徴によるもの”の場合、ダイエットや筋トレ・ストレッチを行うことで痛みが改善したり、症状の進行を遅らせることができる場合があります。

ただし、変形性膝関節症でひざ軟骨がすり減ってしまった場合、すり減ったひざ軟骨は自然に回復することはないため、自力で改善することは難しいでしょう。

変形性膝関節症とは

膝痛の予防には、適度な運動が効果的

ひざの痛みを予防するためには、適度な運動を行い筋肉をつけたり、筋肉や腱の柔軟性を保つことが大切です。ひざの運動に必要な筋肉がついており、筋肉や腱の柔軟性を高く保てるとひざにかかる負担が軽減されます。さらに、適度な運動を行うことで関節軟骨に関節液(栄養)が行きわたりやすくなったり、コラーゲン産生が促進されるといわれています。

ただし、ひざに痛みがある時の無理な運動は禁物です。痛みがある場合は専門医の診断を仰ぎ、無理のない範囲で適度な運動を行うことをおすすめします。

サプリメントはひざの痛みに効果がある?

グルコサミン、コンドロイチン、コラーゲン、ヒアルロン酸など、ひざの痛みに効くと謳われるサプリメントは数多く存在しています。サプリメントは薬局で簡単に手に入るため、これで痛みが改善するならと愛用している方も多いでしょう。

ただし、残念ながら学会では現在のところ「サプリメントの経口摂取は科学的データとして有効性が認められていない」とされています。例えばサプリメントを飲んだ方のX線(レントゲン)検査などで改善したというような科学的データがあるわけではないため、効果があるともないとも言えないということです。

サプリメントを試す場合は、このことに加えて効果の表れ方には個人差があることを知っておきましょう。また、もし効果が感じられない場合は無理に継続せず、専門医に診てもらい適切な治療を受けることをおすすめします。

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当院は2005年より再生医療を専門に行っております。
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は、
「再生医療」専門のクリニックです。

ひざの再生医療さいせいいりょうとは?

ひざなどの関節の痛み(変形性関節症)を、ご自身の幹細胞(かんさいぼう)で治療します。あなたの細胞が軟骨の代わりとなり、痛みが和らぎます。
ヒアルロン酸注射や痛み止めなどの“対症療法”とは違い“根本治療”のため、効果が長続きします。

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